スロスのシンプルダイアリー

シアトルからアメリカ生活なんでも雑記ブログです。  

アメリカでヒッチハイク旅行をしたいと思っている人たちについて思うこと

 

アメリカをヒッチハイクで横断しようとした中学生

 

最近Twitterでフォローしている人のTweetから、中学生でアメリカ横断を企画していた男の子のことを知りました。  

 

Twitterには旅する中坊レイという名前で出ています。  私は彼をフォローしていないし、勝手に彼のTweetを載せるのはいけないような気がするので、もし興味がある人は検索して見てみてください。

 

今回彼が企画した旅行は、ロサンゼルスからニューヨークまで、ヒッチハイクアメリカを横断しようというものだったようです。  2月4日にロサンゼルスからアメリカに入国して、2月15日に旅行を中断、親御さんが迎えに来て日本に帰国したそうです。 

 

アメリカ国内では、州によって法律は違いますが、未成年者(18歳未満)が保護者なしで旅行をすることが違法なところがあるのです。  そしてそれは、旅行をしている未成年者本人ではなく、親や保護者が子供の保護監督を怠ったということで罰せられてしまうのです。  それでこの中学生は結局は保護されて、親と帰国を余儀なくされたようです。

 

賛否両論いろいろあるけど…

 

私がこの中学生のことを知ったのは、ある人がTwitterアメリカに住む日本人として、彼の旅行計画を無謀だと思って心配していることを読んだのがきっかけでした。  その後いくつか他の人の意見も読みました。  

 

アメリカに住む人たちからはあまり肯定的な意見はなかったようですが、応援しているというコメントがいくつもありました。  この中学生はすでに日本国内で、北海道、東北、九州一周のヒッチハイクの旅をしたそうなので、それなら経験があるから大丈夫だろうと思ったのか、次は海外!という彼の計画に賛同したのかもしれません。  それに日本は比較的治安が良くて、子供が一人で電車に乗って出かけたりすることも珍しくないので、アメリカも同じようなものだと思っているのかもしれません。  それとも、多少の危険がある方が冒険らしくて面白いじゃないか、と思うのかもしれません。  自分にできないことを中学生の少年がやってくれる、ということで夢を託したいと思った人もいるでしょう。  もちろん心配してやめた方がいいという意見もあったと思いますが、もしそういう反対意見が圧倒的に多かったら、彼は一人旅には出なかっただろうと思います。  そもそも親が賛成して送り出したのだから、それならいいんじゃないか、と思った人もいると思います。

 

反対に否定的なものは、まず応援してるよ!というコメントに対して、無責任だという意見がありました。  それからまだ中学生なのに勉強はどうなっているのかとか(本人は中学を中退していると言っているそうです)、英語が堪能でないとかきちんとした計画がないということに対するコメントがありました。  そしてもちろん犯罪に巻き込まれたらどうするんだという心配している人たちのコメントもたくさんありました。  

 

私の意見は…

 

私の娘が中学生(13歳)の時、夏休みに一人で日本に行ったことがあります。  当時彼女は日本語の読み書きはあまり達者ではありませんでしたが、会話には困ることはありませんでした。  一人で飛行機に乗ってシアトルから成田まで飛んで、成田では親戚が迎えに来てくれていて、それ以降はずっと祖父母のところで生活しました。  親が日本出身でアメリカで暮らしている子供たちの中には、一人で飛行機に乗って日本の親戚のところに旅行するというのは、多くはないにしてもまるっきり珍しいことでもありません。  

 

ただこの場合、航空会社はある年齢までの子供にはエスコートサービスというものを提供していて、飛行機に乗る際と降りる時にアテンダントが付き添ってくれます。  成田空港で飛行機を降りた後、荷物を受け取って外に出る時には、出迎えの人に引き渡すまでアテンダントが一緒にいてくれます。  

 

こういうサービスがあるにしても、もし私の娘が日本語を流暢に話せて、スムースに意思の疎通ができなければ、私は彼女を一人で日本に送り込むことはなかったと思います。  それは犯罪に巻き込まれるとかいう前に、誰にでも起こりうる地震などの自然災害や、火事や交通事故などに遭わないとは限らないからです。  そして非常事態が発生した時に、言葉が通じないでどこまで危険から身を守れるかは100%保証することはできません。  

 

このヒッチハイクを計画した中学生の英語の能力はわかりませんが、ネイティブ並みに話せるというわけではなさそうです。  アメリカを一人旅をする人が皆英語に堪能でなければならないというわけではありません。  ただきちんとプランされた計画的な旅行でない場合、語学の能力は必要不可欠だと思います。   

 

それからこれはこの中学生の少年に限らずですが、日本人は海外に出る時は、とにかく日本の常識が世界のどこでも通用するというわけではないということを、十分理解してから旅行するべきです。

 

アメリカについて言えば、”大目に見てもらう”ということは考えないことですね。  子供だからとか、外国人だからということで何かに違反した場合に許してもらえることはありません。  アメリカは契約社会、そしてI.D.社会です。  口で自分が誰だか言ってみても、パスポートや免許証などきちんとしたI.D.を見せなければ納得してもらえません。  年齢を偽って未成年が大人のふりをしようとしても偽のI.D.でもない限り不可能です。  

 

そして日本の便利さがある意味特異であるということも忘れてはいけません。  例えば日本にいれば当たり前にどこにでもあるのが自動販売機です。  喉が渇いたら自動販売機で何か買えばいいと思っても、アメリカではそう簡単には自動販売機は見つかりません。  飲み物の自動販売機だとすると、コカコーラなどの炭酸飲料が3、4種類とか、ボトル入りの水だけとか、そのくらいしか売ってないことがほとんどです。  そしてお札を入れるとコインでお釣りがくる、なんていうことはほぼありません。 コンビニエンス・ストアも同じです。  ガソリンスタンドに併設されている場合が多いですが、売っている物の種類は少ないし、お店の数も多くありません。

 

この中学生はカリフォルニアで脱水症状になりかけたようです。  日本だったらどこでも自動販売機で飲み物を買えるのに、アメリカではそうはいかないということを、体に危険な目に遭って理解したというわけですね。

 

冒険にも綿密な計画は必要

 

映画を見たりすると、アメリカ国内でヒッチハイクをして旅をするシーンが出てくることがあります。  実際にヒッチハイクアメリカを横断したという日本人もいると思います。  映画はフィクションだから、ヒッチハイクをして事件に巻き込まれても、はたまた車に乗せてくれた男性とヒッチハイクをした女性が恋に落ちてハッピーエンドでも、それは全部作り物です。  本当にヒッチハイクアメリカ国内を旅行して、何事もなく楽しい思い出を作れた人は、それは運が良くて、そして全く無計画な無謀な旅ではなかったはずです。  

 

冒険=行き当たりばったり、という考え方はまず捨てるべきです。  そして危険を伴う可能性があることを知っていて敢えてそれをするのが、必ずしも冒険であるとも思いません。

 

ヒッチハイクアメリカを横断しようとした中学生は、未成年が保護者なしで旅行することが違法であるとは知らずにいて、結局保護されて親御さんに迎えに来てもらうことになりました。  もしもっと色々と調べて計画を立てていたら、違う形でアメリカを横断して、色々と見聞を広げてとてもいい経験が出来たはずです。  

 

ヒッチハイクを美化しないで!

 

私は何年か前に夫とアラスカに旅した時に、フェリーでカナダに戻った時にヒッチハイカーを車に乗せてあげたことがあります。  イタリアからアメリカに留学して、その後一人で旅行をしていた女の子でした。  

 

フェリーはカナダのプリンス・ルパートというところに着くことになっていて、フェリーを降りる前に、誰かプリンス・ジョージに行く人はいませんか?と女の子が聞いて回っていたのです。  みんな首を振ったり、無視したりしていました。  私たちはプリンス・ジョージからプリンス・ルパートまでの長い道をドライブしてきた時、誘拐されて行方不明になった女の子が何人もいるというポスターを見て来たので、彼女がそのフリーウェイでヒッチハイクして危ない目に遭ったら気の毒だと思って、車に乗せてあげることにしたのです。  結局旅は道連れでシアトルまでずっと一緒に旅をして、途中野宿すると言い出したので、私たちが予約していたホテルの一室に一緒に泊めてあげたりもしました。  

 

そうやってヒッチハイカーを車に乗せてあげて、その上一緒に泊まったりもした人間がこんなことをいうのはおかしいと思われるかもしれませんが、ヒッチハイカーを簡単に車に乗せることはいいとは思わないし、ヒッチハイクするのもいいことだとは思いません。  

 

私たちは彼女が目的地に着くまでに、どれだけ長い距離を車に乗らなければならないかを知っていたし、万が一誰も車に乗せてくれなかった場合、それがどれだけ危険か想像がついたし、しかも彼女がきちんとパスポートとビザを持っている大人で、きちんと英語で理解し合えたので車に乗せることを承諾しました。  もし状況が違っていたら、親切にしてあげたくても、車に乗せることはなかったはずです。  

 

例えば道でホームレスの人をみて、気の毒だからと言って自分の家に招き入れますか?  レ・ミゼラブルの話ではないんですよ。  家の中にあるものを盗まれて、いいですよ、持って行きなさいとは言えませんよ。  気の毒な人とはいえ、どんな人かはわかりません。  そしてホームレスの人にしてみたって、招いてくれた人が本当にただ親切で家にいれてくれたとは限りません。  

 

自家用車というのは、バスや電車などの公共の乗り物とは違って、知らない人の車に乗るということは、知らない人の家に入るのと同じことなのです。 

 

ヒッチハイクなんかしなくても、ローカル線のバスを乗り継いで旅行するとか、アメリカを横断する違う方法はあります。  今は出発地と目的地を入力すれば、Googleがバスや電車で移動する方法を教えてくれる便利な時代になりました。  そういうサービスを使って計画を立てて旅行することが、ヒッチハイクに比べて冒険心がないとか、行動力がないとか、そういうことはありません。  

 

人に心配させるなとか、迷惑かけるなとか、いろんな意見がありましたが、まずは自分の安全が一番大切です。  ヒッチハイクを禁止している場所があるということはなぜなのか、ぜひ考えてみて欲しいものです。  

 

   

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